満足度:90点
【ネタバレ注意】
トリッキーな力作 絶妙に仕組まれたシナリオが圧巻
(未視聴の方は・・スクロールされぬようご注意ください)

関連記事:ハートロッカー(あらすじ)
【目次】
Prologue プロローグ
Chapter1 イラク戦争とイスラムテロの実態
Chapter2 イデオロギーの解釈から賛否が分かれる?!
Chapter3 リアルと非リアルのメタ構成
Chapter4 実は "反政府" 的メッセージを暗喩している?
Chapter5 主人公のキャラクター
Chapter6 主人公の心理の行方は "登場人物" にあり
Chapter7 赤ちゃんのシーンからみえてくる・・物語のメッセージ
Chapter8 男はなぜ?戦場に戻っていったのか・・
・・Prologue・・
この作品は賛否両論あるみたいですが
個人的にはかなり好きな作品です
最初に特筆しておきたいのは・・
監督が女性である ←ここはけっこう重要なポイントかと。。
(これについては最後のキャプチャーで考察しています)
戦争映画ですから
戦争賛美?! はたまた反戦映画?! などと揶揄されがちですが
最後に
"ヒューマン" が浮き彫りになるところが見所ですね
この作品は
"イデオロギーをフラット" にして鑑賞することを
できればオススメしたいのですが
戦争映画なのだからイデオロギーが関係してるんじゃないの?
と思われる方も少なくないと思います。。 が、
この作品はそのような
"異論" をしっじゃ回避すべく
実はエクスキューズが随所に丁寧に施されていて
実にトリッキーでいてキメ細やかな作品
まさに見ごたえ十分な
"秀作" だと思います
なによりも女性監督ならではの力量のある仕上がりですし
アカデミー賞受賞もなるほど納得の
個人的には、とてもとても好評価したい映画です
※尚、ここからは個人的な独断と偏見が含まれています ご了承ください
Chapter1
イラク戦争とイスラムテロの実態
まず、この映画をみるにあたって
抑えておかなければならないのはイスラムテロの実態です
中東情勢をご存知な方にはありふれた話ですが
ざっくりまとめるとこんな感じかと。。
・無差別テロはイスラム宗教の「身内争い」であること
・町中に転がっている「爆弾の標的は実はアメリカではない」こと
・イスラム過激派の目的は占拠妨害つまり「中東を不安定にさせる」こと
フセインが暗殺されたおかげでアルカイダはやりたい放題になってしまったわけで
アメリカが行った中東への軍事介入が
逆にイスラムの勢力争いを復活させてしまったのです
アメリカにとってもこれは実に皮肉な話というわけで
それは作中でも語られています
主人公ジェームスの台詞
「イラク人がイラク人に爆弾を仕掛ける事態を招いたのはアメリカのせいなんだ」
イラク戦争の批判はブッシュ氏や軍事産業の利権構造にも向けられていたし
他にも9・11テロからイラク戦争にかけては様々な陰謀説があります
その姿はまるでマネーゲームのようにも見えてきます
この映画はそんな疑惑に満ちたイラク戦争を題材にしているため
作者の政治的な主張は意図的に隠蔽されています
Chapter2
イデオロギーの解釈から賛否が分かれる?!
作中曲やエンディングテーマは
痛烈なアンチブッシュのハードロック
主人公ジェームスの部屋でも大音量でかかっている
(もちろん歌詞は削られていますけれど・・)
(エンディングテーマの歌詞はの内容は
"ビンラディンはどこにいる ブッシュの庭にいる"
みたいな内容・・)
作中においても
主人公ジェームスの心理の変化や物語のメッセージ性も
あえてわざと掴みづらくさせている印象ですね
これはイラク戦争というテーマがいかにデリケートな題材であり
アメリカ人にとってもとりわけ複雑なテーマであるために
なかなか本音が言えないという製作者側の事情がみてとれます
だって「アンチブッシュ!」などと叫んでしまったら
マイケルムーアみたいで身も蓋もありませんから・・
強いアンチテーゼを胸中にぐっと抱きながら
「良きアメリカを再び取り戻せ!」と言っているようにも聞こえてきます
・反戦のメッセージが散りばめられているようにもみえる一方で
・アメリカへの激励のようにも聞こえてくる
つまり
観客側のイデオロギーによってそれが良くも悪くも解釈されてしまう
・この映画をアメリカ市民がみれば奮い立つ人がいるかもしれない・・
・他国からみれば「結局自己賛美してるじゃん」と受け止められてしまうかもしれない・・
などと想像する人だっているかもしれません。。
・これを「反戦映画」として捉える人もいれば
・まるでこの映画が「戦争を助長している」ように捉える人もいるかもしれません
スーパーの大量のシリアルのシーンでは
爆弾の前では最強だった男がやけに小さく見える・・
たかがシリアルを前に困惑してしまう姿はなんともバツが悪い・・
家のキッチンでは爆弾処理の話をしても
女房からはそっけない素振りでニンジンを渡される・・
このあいだまで得意げに爆弾をチョキチョキ切ってた男に
ニンジンを切る姿は・・ とても似あうとは思えません。。
「こんなありふれた日常はオマエには向いてない、さあ戦場へ戻るんだ!」
まるで観客を奮い立たせるようにも聞こえてきます
そんなプロパガンダ効果を狙ってのでは・・・という見方もあるようです、、が
果たしてそれがこの作品の "真のメッセージ" といえるのでしょうか?
真相はどこに隠されているのか?
まずは物語の構成から追ってみたいと思います
Chapter3
リアルと非リアルのメタ構成
というわけでこの作品は
製作者側の真意とは別に
みる側によって様々な受け止め方に分かれる作風も印象的なのですが
アメリカでも賛否があり、軍関係者からも批判もあったようです
ところが、
面白いことにそういった配慮も実はしっかりとなされていたりする
冒頭のシーンでは爆弾の
解体ロボット がでてきます
ロボットは
信管を抜く作業 まではできませんので
通常、イラクではロボットを使ってその場で爆破させるか
砂漠に移動して爆破するかのどちらかだそうです
軍車両も通常は
3台で走行する のが普通だそうで
確かに戦場で冗長性を持たせるのは当然といえば当然ですね
ファーストシーンではちゃんと
車両3台が現場に到着しています
しかしながら、注目したいのは
劇中で主人公のチームはいつも
車1台で移動したった3人 で行動していることです
(もしくはそのように見えます)
さすがにこれは異様な光景にみえます。。
ジェームス3人の周りに
指揮者がいない というのもなんとも不気味です
もちろん、たまに上司は登場したりはするのですが
その存在が意図的に省かれている印象があります
ここで思い出してほしいのが
爆破シーンです
劇中では爆弾が大爆発するシーンが何回か出てきますが
一番印象的なのは "最初の爆発" シーンだと思いますあの超スローモーションの映像はとてもインパクトがあり美しいのです・・
考えてみてほしいのですが、
ここにはまだ、肝心の 主人公のジェームス は登場していませんね
そもそも、主人公ジェームスのように
人がパチパチと銅線を切ったりする行為はリアルでは行われていないのです
基本は、ロボットによる爆破であって
ジェームスの行為自体が 全く現実的ではない のです
すなわち、
ジェームという人物像は "虚構" であることの暗示
ファーストシーンでは (あえて) 「現実」を表現して ロボットで操作する
そして、主人公ジェームスの登場から 「非現実」へ・・・
視聴者は無意識に ”虚世界” へと突入していく・・
(ここで完全な "メタ構造" が浮き彫りになる)
つまりこれが "作り話" であることのエクスキューズはお膳立て済みであるということ
【特筆すべき点】
しかもここに付け加えられているメタファーとして
アメリカの軍事行為への批判(アメリカ政府への皮肉) が込められています
通常行われている ロボットでその場で爆破 してしまう行為は
周囲の住民には非常に危険であって
本来ありえないジェームスが信管を抜いたりする作業のほうが
イラク市民には安全なのだということ
(この点を注意しながら観ると皮肉が見えてくると思います)
Chapter4
実は"反政府"的メッセージを暗喩している?!
この作品ので注目したいのは
"反戦映画" というよりかは
"反政府的" なメッセージが込められているところにあって
アメリカの軍事行為への批判は様々なシーンに随所に見受けられることです
冒頭でも記しましたが戦争への批判は意図的に隠蔽されています
<ネビッド教授>
ベッカム少年の家に押し入るとネビッド教授がいます
主人公ジェームスにとってはなんともバツの悪いシーンですね
ネビッド教授は良識的で教養ある知識人です
ネビッド氏はジェームスをCIAの家宅捜索だと思い込み
銃をつきつけた主人公を紳士的に席に誘導します
・一般のイラク人は知的で良識的であることの暗示 ・野蛮なのはむしろアメリカ人であることの暗示
(実際のイラク戦争では家宅捜索も問題視されており
その批判を揶揄しているとも汲み取れなくもありません)
<賞金稼ぎの男>
砂漠での戦闘シーンでは賞金稼ぎの男が「殺しても金になるんだった」
とまるで金に目がくらむハイエナのように砂漠を進んでゆくシーンが印象的です
しかし、長距離戦を構えると・・
すぐさま賞金稼ぎの男はあっけなく射殺されてしまいます
(
実際に賞金稼ぎや民間軍事会社はイラク戦争で様々な事件をおこしており
それに対する
"皮肉" のようにもみえなくない)
<重傷の武装勢力を殺害>
通常であれば捕虜にして手当てをしなければならず
人道的な罪にとわれる行為 国際法違反です
劇中ではそのような不当な行為が描かれていたりしますが
現実的ではありません
(このシーンはは
実際の現役兵士からも疑問の声があがったそうです)
実際にこのような事件はイラク戦争でも複数件問題になっているようです
他にもこのような暗喩を予想できるシーンは多々あり
これらのエピソードが意図的に挿入されていると想定できるのではないでしょうか
Chapter5
主人公のキャラクター
この映画で気になるのは・・・
"War is a drug"
「戦争は麻薬だ」 という言葉の違和感・・と
そして主人公が一体何を考えているのか、がいまいち掴みづらいところ・・
主人公ジェームスはなんとも不可解な存在として描かれています
序盤の主人公はというと
甘美な笑みを浮かべながら得意げに、そして挑発的に
爆弾処理を進めていきます
彼はたしかに爆弾処理を楽しんでいる
主人公ジェームスは負け知らずで怖いもの無し
仕事の手際のよさといい時折り見せるいさぎよさといい
観ていて思わず見惚れてしまうほどです
とはいえ自己中で自信過剰の迷惑男なので周りからはとても嫌われていたりします
同僚には
「事故と見せかけて殺しちゃおうか」などと陰口を叩かれるほど
でも話してみると
根はいい奴で実は憎めない愛すべき男 だったりもする
仲間が砂漠でパニックになってもやさしくレクチャーします
血だらけの銃層に悪戦苦闘していいる部下に苛立ったりしませんし
動揺している姿をバカにしたりもしません
そして「頼んだぞ!」とエールを投げかけます
戦闘シーンのオレンジジュースで友情が芽生えるシーンは
みていて思わずにんまりしてしまいます
この映画の中で最もチャーミングな場面です
妻とは離婚していますが「妻のほうが離れようとしないんだよ」と語っています
彼女は(あの人無謀だけど・・でもとってもチャーミングで根はいい人なのよ)
といわんばかりに自宅でずっと帰りを待っている・・
そんな彼女は 良き理解者 のようにも見えます
しかしこの男、最後の最後まで何を考えているのかさっぱりわからない・・
当の本人もアメリカに戻る直前「なにも考えていない」と真顔で答えます
恐らくこの男、本当になんにも考えていないのだと思います
・なぜ再び戦場へ戻るのか?
・主人公は本当にスリルジャンキーなのか?
その理由は・・ 一連の出来事=登場人物 に隠されていると思います
Chapter6
主人公の心理の行方は "登場人物" にあり
<タクシーの男>
主人公がいかなることにも動じない凄さ
(そんな異常な様)を表現するために置かれた登場人物です
→主人公が
人間味のない完璧男 であることの提示
<ベッカムサッカー少年>
ビデオ売りのサッカー少年に対し
愛情 を示しはじめます
(あれ、ジェームスって息子いなかったっけ?)
→
人間愛の目覚め
<爆弾少年>
爆弾少年の遺体を爆破することなく回収する
少年に熱い
慈愛の念 を抱く
→
人間愛を取り戻す爆弾処理を完璧にできなかった
爆発し誠実な大佐が巻き添えになってしまう
→
敗北
<仲間の救出>
トレーラの爆発の惨事に動揺して闇の森へ繰り出してしまうが
状況判断のミスで部下を助けるはずが自分で撃ってしまう
部下には「そもそも行く必要なんてなかっただろ
やりたいんだったら一人で楽しめよ」 などと痛烈な正論と誹謗をいわれる
→
敗北
<爆弾スーツ男>
2分以内の物理的に不可能な解除
ギリギリまで頑張るが(本人にはこれがデキるとおもっている・・)
良識あるイラク人(スーツはエリートや紳士の暗示) を救うことができない
才能や努力だけでは不可能な現実を知る
→
敗北
<爆発して飛ばされる> 空のカイトがぼやける(一瞬意識を失う もしくは失いそうになる)
→
死の自覚 ハートロッカー(極限状況)にいるという自覚に目覚める
<帰国> ・シリアルもロクに選べない
・排水溝の枯葉掃除
・戦場の話を彼女に相手にされずニンジンを渡される
→
虚無 虚無 虚無
無情の完璧男→人間愛を取り戻す→敗北敗北敗北(無力感)→死の自覚→虚無虚無虚無
完璧男は序盤では彼女や息子にそれほど愛着がなく
忠誠心で爆弾処理をしてるわけでもありません
戦場にいるのはただただ面白くて楽しいから
しかし敗北の連鎖でメンタルが打ち砕かれる
この世には才能や努力だけでは克服できない現実があり
爆破で飛ばされ自分が 完璧でない ことを知る
爆破の衝撃を体感することではじめて死に触れ
戦場が ハートロッカー(極限状況)であることを自覚しはじめる のです
家族愛が希薄だった主人公でしたが
爆弾少年への愛や挫折を感じたときに無性に家族の声が聞きたくなります
(電話し元妻と赤ちゃんの声が聞こえるが無言で切ってしまう)
この主人公は何を考えているかよくわからない直感で生きるタイプ
無性に声が聞きたくなったりすることに理由なんてありませんよね
そんな思考を超えた感情は
誰にでも共感できる実はありふれた姿なのではないでしょうか
Chapter7
赤ちゃんのシーンからみえてくる・・物語のメッセージ
主人公が赤ちゃんに向かって全く夢のない話を語りだすシーンは印象的です
ここに主人公の
真意が隠れていると思います
主人公の台詞
「本当に大切なモノは一つか二つだけ・・いや、 パパはひとつだけ なんだ」
「大好きだったものも特別じゃなくなるんだ」
「そして君が僕の歳になったときには、 父親のことも記憶の一片 になってしまうんだ」・自身の
たった一つの天職 のために
・本当は
大切な家族 からはなれてゆかねばならないこと
・そして
自分の人生がそれほど長くはない こと
とてもじゃないけど赤ちゃんに話す内容の会話ではありませんね
やんわりと
"死を暗示" しているようにもみえます
主人公は家族ではなく天職を選びました
天職を失うことは自分自身を失うことになるからです
再び戦場に向かう表情は険しく
(死を覚悟した男の姿のように私には見えました)
受け止め方は観客に委ねているのだと思います
ハートロッカー:傷みの箱(隠語で 極限状況 地獄 棺桶の意)この物語は希薄な男が人間性を取り戻していくストーリーでもあり
死を自覚したラストの主人公は 爆弾処理はもうスリルではないはずです
もう一度振り返っていただきたいのが
爆弾スーツ男を助けることができず
主人公ジェームスが爆発して飛ばされるあのシーンです
その直後、
空のカイトがぼやける
ここは主人公が(一瞬意識を失う もしくは失いそうになる)ことを暗示しています
ここではじめて
"死=ハートロッカー(極限状況)にいる" という自覚に目覚めるのです
解釈によってはスリルジャンキーから脱皮する姿のようにも感じえます
(「戦争は麻薬だ」このメッセージ
一見中毒者は主人公であるように見せかけて
戦争を始めた者達へのメッセージ?のようにもみなくもありません。。)
Chapter8
男はなぜ?戦場に戻っていったのか・・
この作品はジェームス・キャメロン監督の元妻であるビグロー監督作品
その美しいルックスとは対象的に、
実に男前でかっこいい人物でもあります
この作品で注目すべきは、
女性監督独自の視点 だと思います
それこそが
"この映画の謎を紐解く鍵" となるのではないでしょうか・・
そもそも、なぜ、この男は戦場に戻ってゆくのだろうか?この映画は意図的にメッセージが隠蔽されてれおり
そんな彼女ならではの
政治的配慮 こそが
アカデミー賞受賞に導いたのではないかと推測します
・アメリカの
イラク介入を暗喩で皮肉っている シーンが随所にあり
・所々に挿入されている音楽やエンディングテーマは
アンチブッシュ の曲
・一見中立を装っているように見えて
戦士たちへの強い激励 に溢れています
・だからといって
イラク戦争を正当化はしておらずむしろ強い批判 に満ちている
大きなポイントとして特筆したいのはビグロー監督の
女性的な視点 です
意外にもビグロー氏は
戦争の是非やイデオロギーにはそれほど固執していない と推測します
つまり監督が持つ政治的な主張は実はそれほど強くはなく
ひとりの女性として戦場にいる戦士(友人や恋人)を
ただひたすら
"母国で待つ女性目線" という別の視点からも見れるのです
これは国境を越えてあらゆる女性が共感できるはずです
もしかしたら(イデオロギーの強い人)にはなかなか掴みづらい視点なのかも?しれません
それは後半に登場する主人公ジェームスの
彼女の存在 が物語っています
自宅のキッチンで主人公ジェームスが彼女に爆弾処理の話を始めてしまうのですが
彼女はそっけない素振りでさらっとジョークを返します
・離婚したとはいえ腐れ縁で同居しており互いに愛し合っている
・愛情が希薄だったジェームスだったが家族への愛情が芽生え始めている
・帰る場所がある 待っている人がいる
つまりこの映画は戦争映画としてのメッセージ性にどうしても着目しがちですが
「ヒューマンドラマ」 とみたてたほうが分かりやすいのかもしれません
スリルジャンキーだった男が
戦場でベッカム少年に出会い愛情が芽生え始める
家族(元妻と子供)への愛情を確認し
見失っていた人間性を取り戻てゆく
(それでも・・この主人公は)
たった一つしかない 自分の場所あの戦場へと戻っていくのでしょう
(これは劇中でジェームスが赤ちゃんに語った台詞のとおりです)
葛藤 目覚め 存在意義
自分とは何か? 自分は何をすべきなのか?このようなメッセージは実は誰にでも共感できる、ごくありふれたテーマだと思います
戦場ではなくとも誰もが自分と重ね合わせ、共感することができるのではないでしょうか
今は男女平等な社会ですし 男勝りの女性戦士だっています
とはいえ
戦争の是非を超えたところにある普遍的な女性の視点 こそが
この映画の大きなポイントといえるのではないでしょうか
いつの時代も戦争は男がしかけるもの・・
もちろん例外もありますが
(フォークランド紛争のようにかつてサッチャーが主導した戦争もありました)
時代を超えて、国境を越えて、既にもうはじまってしまった戦争の中で
いつも
"女性達" はじっと耐えながら
愛すべき人の安否を祈り ひたすら待ち続ける存在なのです
この物語のメッセージはそんな
戦争の是非を超えたところ にあって
そして今もなお世界中の戦場で従事している戦士達へのエールと労いに他なりません
これは
"女性ならではの視点" であり、監督本人の言葉が物語っています
アカデミー賞を受賞した時のキャスリン・ビグロー監督のスピーチ
『私はこれをイランやアフガニスタンなど世界中の各地で
日々命がけで軍隊に従事しているすべての女性と男性に捧げたいと思います
彼らが無事に帰国できますように ありがとう 』
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【引用】
http://spikemilrev.com/news/2010/4/29-2.html
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